こんにちは、エンジニアの岩松です。先日、他社のエンジニアの方々と合同で、勉強会を開催してみました。登壇形式の勉強会は運営や登壇者の負担が大きくなりがちですが、今回は「Open Space Technology (OST)」と呼ばれる手法によって低コストかつ密度高く開催できました!今回は、その取り組みを紹介していきます。
どの会社も、自分たちのことを知ってほしい
プロダクト組織として自分たちの取り組みを伝えたいが、そのためのアクションを起こせずにいる。一方で、他社の技術的な取り組みを知ることは、多かれ少なかれ、自社の活動にもポジティブな影響があるはずです。
実際、他社の知り合いに話を聞いてみると、似たような課題感を持つ人たちが多くいました。そこで、こういった方々と共同で「続けやすく、参加者にとっても意義のある知見交換の場」を開催できないかと考え始めました。
Open Space Technologyという手法
Open Space Technology (OST) は、組織開発におけるワークショップの形式のひとつです。共通言語や一体感をつくるワークショップ手法は、ワールド・カフェ形式をはじめいくつかありますが、今回はより熱量の高い対話が起こることを期待してOST形式を採用しました。
OSTは参加者が話したいことを自ら提案して対話する手法なので、より熱心に語れるテーマで知見を交換したり、勉強会の満足感にもつなげることができるのではないかと思ったのでした。
OSTを勉強会に転用するにあたって、自分たちなりのOSTの定義を整理して、当日は会の冒頭で認識あわせをしました。
プロダクトエンジニアという概念
OST形式で開催するにあたって、参加者がテーマを挙げていくわけですが、完全に自由なテーマで募集すると、収集がつかなくなり、良い対話にならない恐れがあるなと思いました。そのため、今回は専門領域や役割が近しいエンジニアに声をかけて参加してもらい、共通点を大テーマとして掲げることにしました。
良いくくりがないかなぁと考えていたところ、とあるnoteで「プロダクトエンジニア」という概念を見かけました。
プロダクトエンジニアはフロントエンド・バックエンド・デザイン、そしてあらゆる領域を越境してプロダクトのあるべき姿を構想し、優れた顧客体験を生み出します。そんな顧客課題を中心として、プロダクト志向を持って情熱的に開発するエンジニアにスポットライトを当てます。 (プロダクトエンジニアとは何者か より引用)
このくくりの粒度は、今回私たちがお話を聞いてみたい、そして、知ってほしい方々の粒度感とマッチすると感じ、会の方向性が決まったのでした。
開催してみた
やりたいことやコンテンツを整理して、実際にイベントを開催してみました。まずはクローズドに開催してみよう、ということで友人・知人を中心にお声がけしてみたところ、テックリードの方やマネジャーの方、CTOの方など10名ほどの参加者が集まりました。私たちもお話を伺っていて、勉強になる有意義な会だったと思います。
会のあとには「参加のハードルが低かった」「テーマやそれぞれの課題に共感しやすかった」といった感想があったり、2次会で延長戦を行ったりなど参加者の方々にもご好評をいただけたのではないかと感じています。当日の様子を写真でご紹介します。
40分1タームとし、会の冒頭でテーマ案の記入と投票を実施。票数が多かった4テーマでテーブルに分かれました。
自分の関心事のテーブルに移動したため、また、1テーブルあたりの参加者が多すぎないため、LT形式や懇親会形式のイベントに比べて議論が捗り、話しやすかったと感じました。手持ち無沙汰になりにくく、初対面の方とも会話がしやすかったとも思います。
似たような境遇の方が多く、それぞれの挙げていた悩みや課題、テーマにも共感が集まりやすく、取り上げるテーマの投票時間も盛り上がりました。
運営としての学びと今後
また、運営面でも多くのメリットがありました。ひとつは登壇者の調整および登壇資料、機材の準備コストがカットできたことです。最も負荷がかかる、勉強会のコアなところですが、ここがなくても良い対話や体験が生まれたことは新しい発見のひとつでした。
また会のテーマ的にも、誰かひとりに偏った採用宣伝やコンテンツを入れ込まずに、あくまでもフラットに学び合うことに純粋に取り組めたことも、長期的な視点では良い点だったと感じています。
今後も定期的に開催し、この輪を広げていきたいと思います。